鳥越俊太郎氏、今度は演説で「介護離職」という言葉使って熱弁振るうも「意味違うのでは」の声

鳥越俊太郎氏、今度は演説で「介護離職」という言葉使って熱弁振るうも「意味違うのでは」の声

鳥越俊太郎氏が7月23日に立川駅前で街頭演説をした際、「介護離職」に言及していましたが意味を取り違えているのではないかと指摘されています。(画像は動画より)

鳥越氏は「介護離職」について街頭演説でこのように話していました。(動画の38分17秒より)
「介護の月給、報酬ではどうしても自分の家族を養っていくことが出来ない、そうするためには自分は本当は介護をちゃんとやりたいんだけれどもこのままでは自分は結婚して子供を産むことが出来ない、そういうことを考えて他の仕事に移ってしまう、いわゆる離職者、『介護離職者』というのが日本全体、東京都でも同じですがだいたい全体の2割、20%5人に一人は一回は介護の仕事に就きながらやむを得ずこれが日本の現実なんです。」

これは介護士の待遇・報酬が不十分であるという文脈の中で、給料が少なく結婚や子供のことを考え離職する人のことを「介護離職者」と呼んでいるようですが、「介護離職」の定義について「コトバンク」はこう説明しています。

「家族を介護するために仕事を辞めること。管理職や熟練を要する職務に従事している40~50代の働き盛りの労働者が、仕事と介護の両立が困難となり、退職に至るケースが多い。」

家族を介護するために企業にとっての貴重な戦力である中堅従業員が離職してしまうことによる損失や、介護離職者がその後経済的に困窮してしまうケースが社会問題化しているとして「介護離職」という言葉が定着したとされています。

厚生労働省でも「介護離職を防ぐために」として説明されているのは「家族の介護を抱えている労働者が仕事と介護を両立できる社会の実現を目指す」という内容であり、介護職の人による待遇を不満とした離職についてではありません。

確かに介護職の報酬・待遇については今後の高齢者増加に鑑みれば喫緊の課題であり、鳥越氏の問題意識は妥当であると言えはするものの、都知事選挙の候補者としてこうした単語の意味を間違って理解しているとすれば知識の浅さを露呈しているとして批判され候補者としての適格性を疑問視するする声も強まりかねません。