「中国は最も大事な相手国の一つ」民進・増子輝彦幹事長がAIIBをサラ金に例えた麻生太郎財務相に不快感

「中国は最も大事な相手国の一つ」民進・増子輝彦幹事長がAIIBをサラ金に例えた麻生太郎財務相に不快感

11月29日の参議院予算委員会で、中国主導のAIIBを「サラ金」に例えて説明した麻生財務相に対し、民進党の増子輝彦幹事長が「最も大事な相手国の一つ」「比喩としては芳しくない」と不快感を示す場面がありました。
麻生太郎財務相がAIIBを「サラ金」
これは日中首脳会談の話から中国の一帯一路、それにAIIBに対する考え方を増子幹事長が安倍首相、麻生財務相それぞれに尋ねた際、麻生財務相がAIIBについて注意すべき点を説明するにあたって「サラ金」に例えたことを問題視したもの。

麻生財務相はAIIBを「金を貸した経験のない人が急に貸すって話」「今までずっと借りてた人が急に貸すわけだから」としてノウハウ面に不安がある、との見解を示した後、膨大な需要があるアジアでは「お金を返せなくなった代わりに99年間借地、なんて話も起きている」と指摘し、こうした現象を「サラ金に取り込まれちゃうみたいな話」という表現に例えて説明していました。

発言の中で麻生財務相は「サラ金なんて言ってすいませんけど、まぁわかりやすくそういう話を申し上げてるだけ」と補足してはいたものの、その後質疑に立った増子幹事長は開口一番、麻生財務相に対し「大変先輩に失礼ですがサラ金の話とAIIBを比喩しないほうがいい」と注意。その上で中国を「最も大事な相手国の一つ」だとして「芳しくない」「実業家・麻生大臣のお言葉にはちょっとふさわしくない」と中国に対する例えとして「サラ金」という言葉が用いられたことへの不快感を見せていました。

増子輝彦幹事長と麻生太郎財務相の発言
増子「総理この中国の一帯一路っていう問題は非常に悩ましいんですね。中国がこれによって世界一の大国を目指そうという考えが根底にあることは間違いありません。そういう状況の中で日米関係・日中関係っていう非常に微妙な形の中で、この中に参加をしていくという、協力していくということは極めて大きな今後の日本の立ち位置の問題も入ってくるわけですから、ここは慎重にかついろんな要素を採り入れて、それこそ国益ですから、そこはしっかりしていただかなければならない。そういう状況の中で、今の総理のいろんな中身の話でインフラの整備や貸付の問題等ありますが、やっぱり中国が主導で作ったAIIBについての参加という、出資ということについては、これを同意をしたのか、これも前向きに考えていくのか、これ財務大臣にもお聞きしなければなりませんが、この点について総理の所見と財務大臣のお考えをお聞きしたいと思います」

(中略 安倍晋三首相答弁)

麻生「あのAIIBに対する我々の態度っていうのは先程総理の方からご答弁があった通りで、あの具体的に言えば金を貸した経験のない人が金を急に貸すって話ですからこんな話は。わかります?言ってる意味。ね?その人たちの金の貸し方っていうのは急にお金を持った人が急にお金貸しになる。今までずっと借りてた人が急に貸すわけですから、どれだけノウハウがあるの。私どもはお手並み拝見と思って見てるんですけど、今んとこ膨大なインフラに対する需要がアジア地域にあることは確かです。それに対して世銀とかアジア開発銀行とかいろんなものがそれに対応してますけれども、それに対応する金の絶対量というものを求めてるいわゆるアジアの国々ありますんですが、金を借りた方もちゃんと計画を立てて金を返済しねぇとサラ金に取り込まれちゃうみたいな話になったら元も子もありませんよ、という話は、我々はよくサラ金なんて言ってすいませんけど、まぁわかりやすくそういう話を申し上げてるだけなんですが、そういった例のことにならないようにするためにいくつも既にそういう例が出てて、お金返せなくなったいいですよその代わりそこ、99年間借地、なんて話起きてますんで、それは明らかに開かれたインフラという結果を招きませんので、そういったことにならないように私どもは注意深く見ていきたいと思ってます」

増子「麻生大臣、大変先輩に失礼ですが、あのサラ金の話とAIIBをあんまり比喩しないほうがいいかとおもいますこれは。あの、例えとしては分かるんですが、やっぱり最も大事な相手国の一つである中国に対しての比喩というにあまり私芳しくないのではないのかな、と実業家・麻生大臣のお言葉にはちょっとふさわしくないのかなぁと、そんな気がいたしております。(以下略)」