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最高裁まで争った菅直人元首相「因縁の対決」に安倍首相「私が勝訴した」「蒸し返すの無意味」

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2月6日の衆議院予算委員会で質疑に立った立憲民主党の菅直人元首相が、首相当時の原発事故対応を巡って既に最高裁で判決が下されている事案について安倍首相に答弁を求め、何度も「蒸し返すのは非常に無意味」と苦言を呈される場面がありました。

「蒸し返すの無意味」最高裁判決まで読み上げて対応

菅元首相はこの日、1時間以上の質疑の中で20分弱を使って2011年当時の原発事故対応について安倍首相と「因縁の対決」。当時安倍首相が自身のメールマガジンで原発事故対応を批判していたことについて菅元首相が「ウソを書かれ名誉を傷つけられた」として提訴、2017年2月に最高裁で安倍首相の勝訴が確定していたためです。

この問題を質疑で持ち出した菅元首相は「メルマガは総理自身が発信されたものですね?」「何故間違った情報を書いたんですか」「当時、海水注入が中断されたと書かれておりますが、それは間違っていたんですね?」などと迫りましたが、安倍首相を追い詰めることは出来ませんでした。

既に最高裁で判決が確定していることから「私が勝訴した」「蒸し返すのは無意味」「非常に非生産的」「いかがなものかと言わざるをえない」「最高裁の判断に従うというのが正しい道」と何度も繰り返した安倍首相は途中で最高裁の判決文を読み上げるなど不快感を隠そうとしません。

菅元首相は他にも、求めていたメルマガの削除を裁判の途中で安倍首相が自ら削除したと指摘し、「つまり私の要求の半分は認められているわけです」と胸を張りましたが、ここでも安倍首相は「それは違う」と否定、別の訴訟が提起されるリスク防止のためにバックナンバーを全て削除しただけ、と説明するなど思惑通りには進まなかったようです。

結局菅元首相は「海水注入を止めたというフェイクニュースによって政権を倒そうとした。これが安倍総理の真意ではありませんか?」「私があたかも止めたかのように言って、最後は不信任案にまでつなげていった。このことは歴史的な事実」などと主張していました。

安倍首相は菅元首相との裁判が最高裁で確定した際、Twitterで「私を貶めることを目的とした売名行為にほかならず、菅元総理の猛省を求めます」と強く批判していました(関連記事)。

菅直人元首相と安倍首相の発言

菅「そこで、安倍総理にもお尋ねをしたいことがあります。安倍総理はですね、この、東電が海水注入は中断していたということを5月16日ですか、保安院からの調査に対して言って、そして、実は中断してなかったんだということを5月24・25にわかったということでありますが、安倍総理はですね、5月20日の自らのメルマガで、2011年3月12日福島原発第一号機への海水注入を止めたのは当時の菅総理だと発信して、私に対して国民に謝罪して直ちに辞任するようにと、要求されました。これは、資料の8の1に出ております。まず総理にお尋ねします。このメルマガは、総理自身が発信されたものですね?

安倍「そうでありますが本件についてはですね、私の総理就任前のメルマガに関することであり、菅議員から提訴された、私的な民事訴訟に関する話であるため、内閣総理大臣として国会の場でお答えすべきものではないと思います。また、既にですね、最高裁で判決が確定したものであり、地裁、高裁、最高裁私が勝訴しているところでございますが、3年半に渡る法廷に渡る議論をですね、ゼロからこの委員会で蒸し返すことは無意味ではないかと、このように思います

菅「えーとですねぇ、今私が聞いたのは事実関係を聞いたんです。東電がですよ?自ら、海水注入は中断してなかったということを、現社長も認められたわけですよ。しかし安倍総理は、中断していた。それは菅、当時の総理の責任だと、自分が書いたことは認められました。書いたことを認められたから、じゃあ何故こんな、間違った情報を書いたんですかと、お聞きをしてるんです。まず、そのことをちゃんと答えて下さい

安倍「これはもう、訴訟をされてですね、これは既に判決が出ていることでございまして、個人的に、言わば私が総理になる前の判断、書いたことについてですね、菅氏からこれ、訴えられたわけでございまして、これ、地裁においても、高裁においても、最高裁においても、私は勝訴したものでありまして。判決の判断。では何故、私が勝訴したかという判決の判断でございますが、3月12日の、これは判決文から抜粋いたしますと、3月12日の時点において、1号機の原子炉を冷却することが最も重要な要請であり、淡水が枯渇した場合には速やかに海水を注入する必要があったことから、政府から海水注入の指示を受けた東京電力がその作業を進めていたところ、海水注入の指示を受けた東京電力がその作業を進めたところ海水注入の判断について、控訴人つまりこれ菅、当時の総理、控訴人の菅総理の了解を得ようとして開催された本件会議の席上において、控訴人つまり菅総理はその場面では本来問題にする必要のなかった再臨界の可能性を強い口調で問題にしたところから、会議の参加者が控訴人は、つまり菅総理は海水注入は了解していないと受け止め、そのため東京電力も海水注入について中断する旨の誤った判断をしたというものであり、控訴人つまり菅総理が本件会議において内閣総理大臣としての判断を示し、その判断が東京電力による海水注入中断という誤った決断に繋がったという意味において、菅総理の間違った判断があったと評価されるのはやむを得ない。従って、菅総理の間違った判断があったとする意見、論評の前提となる事実については、その主要な部分について、つまり私がメルマガに載せたものでありますが、その主要な部分について事実と認められるというべきであるというのがこれ最終的な最高裁の判断でございます。いずれにせよ3年半ですね、ずっとこれは、私も総理ではありましたが相当の時間を裁判の手続きに取られたわけでございますが、既にこれ結果が出たことでありますから、いま私は総理大臣としての行為に対して答弁をする責任を負っているところでございますが、この問題をまたゼロから蒸し返してですね、ここで議論することは、非常に非生産的と言うか無意味ではないかと、このように考えております

菅「事実関係とですね、評価とは違うんです。あの、簡単に言いますとですね、確かに最高裁で私の名誉毀損のことについては却下をされました。しかし、安倍総理はそれよりも先立って、私が、一審で要求したメルマガの削除はですね、確か二審の途中に自らそれを削除されております。つまり私の要求の半分は、認められているわけです。で、いいですか問題はですね、先程東電の話もありましたように、正確に物事が特に3月12日というのはですね、大変厳しい状況の中でした。あるいはこの総理は自分が総理のときだけ忙しい忙しいと言われますが、この、5月21日・27日の偶然ですが、ここではサミットに私も出かけて、なんでこんな議論がですね、私が止めた止めたというのかなと。そしたらこの読売新聞が出る前の日に、安倍総理のメルマガでそれが流れ、そしてこの読売新聞は安倍総理のコメントまでちゃんと入れてるんですよ?それは全て海水注入が止まったと、中断したと、それが事故に対して悪い影響を与えたと。だから責任を取れ、それは安倍総理の発言として出てるんですよ、メルマガでも。ですからその事実関係を聞いてるんです。ですから安倍総理はですね、事実関係については認めながら、責任を認めたくないもんだからそのことを曖昧にしてる。もう一回だけ聞きます。安倍総理は、当時、海水注入が中断されたと書かれておりますが、それは間違っていたんですね?事実関係として。事実としてですよ

安倍「まずですね、バックナンバーを削除したことについて、菅議員のですね、理解を示されたのでありますそれは違うのです。菅議員から提訴された本件民事訴訟では3年半に渡り、地裁・高裁・最高裁こちらも相当費用がかかるわけでありますが、弁護士と相談しながらの書面作成など、訴訟対応に相当の時間を割くことに、総理大臣として職務があるわけでありますから、この訴訟に対して対応相当時間を割かざるを得なかったのは事実でありまして、内閣総理大臣としての職務にも支障が出る懸念があったわけでありまして、この事案を踏まえまして、総理の職務に専念できるよう、紛争の未然防止の観点からご指摘の、これは菅総理の記事だけではなくて、菅総理が、まぁ訴訟されましたから同じように訴訟する人が出てきてもですね、完全無罪というか私が勝訴をしたんですが、いちいち勝訴をするとしても他の人からなんかそういう人が出てくるかもしれない、というリスクを菅さんの例があったわけですから、事実。これ、地裁、高裁、最高裁で勝とうともですね、この間私も相当それに忙殺されるわけでありますから、これが他にもこういう件が出ることを防ぐためにですね、全てのバックナンバーをですね、これは総理として過去の発言については削除をさせていただいたところでありまして、しかし削除した後も訴訟は継続しており、私は勿論逃げも隠れもしていないわけでありますが、その上で事実関係についてはですね、最終的に責任を取れと私に対して訴訟を起こした。元総理が現職の総理大臣を訴えるという事態になったんですが、最終的に最高裁で確定した判決において、私がメルマガで書いた内容の主要な部分は真実であると認められるとされており、私の主張が認められたものと考えております。既にこれ最高裁で出た判断でございますから、いわば私は総理大臣として行ったことについてですね、ここ、あるいは行おうとしていることについて、予算とか条約等々についてお答えする、答弁をする義務はございますが、その前の話についてですね、私的な訴訟について、しかも司法の判断が出ていることについてこれ以上、一から議論することは私は意味が無いのではないかと、このように申し上げたいと思います

菅「あの、与党からですね、いろいろとヤジが飛んでますが、ちょっと静かにさせて下さいね。いいですか?あの、あと次も言いますけども、結局その、最高裁の判決私も勿論読んでおります。しかし最高裁の判決は中断したということは認めておりません。そして現実に、中断をすることが出来るのは東電しかないんですから。その東電自身が中断してないと言うんですから。事実でないことだけはこれは客観的に明らかなんです。それをですね、安倍総理は、何かあたかも事実であるかのようにですね、最高裁の判決を、その、引用されますが、事実としては、いろんな経緯があったにしても中断されてないことは確かなんです。そこで一歩だけ前に進めます。最後の私のですね資料を御覧ください。これは5月21日の読売新聞です。失礼しました、5月21日のものですが、えーと、失礼これちょっと違いますね。あの、資料8の1ではなくて8の2ですね。安倍総理は実は、時系列的に言いますと、5月の、先程の東電の答弁も含めて言いますと、5月のですね、24・25の調査によって実際には中断されていなかったということがわかって、そして報道が27日にこうして出るわけですが、この間もですね、メルマガを発信し続けておられます。そして、2011年の5月24日のメルマガにはですね、いよいよ不信任案提出の時は迫りました。つまりは私が中断をさせたので、その責任を取って辞めろと。そしてそれに対して、不信任案を提出する時が迫った。この時期はまだですね、東電は中断はしてなかったと発表するほんの3日ほど前ですね。つまり、その後になって、東電が3日後の、先程申し上げたような時点で、実は中断してなかったと、いうことを言われた時点で、素直に考えれば、どうも情報が間違ってたようで、申し訳なかったと、このメルマガを取り下げて、関係者に謝罪するのが普通の社会人のやるべきことだと思いますが、結果としてどうなったか。この5月24日の一週間後の6月2日には現実に、自民党は、当時の私の政権に対して不信任案を出されてるんです。つまりは、海水注入を止めたという、フェイクニュースによって、政権を倒そうとした。これが安倍総理の真意ではありませんか?

安倍「あの、先程読んだ最高裁の判決でですね、多くの方がご理解を頂いてるんだろうと思いますが、この判決のいうところはですね、つまり海水を注入するのが正しい判断であったが、言わば菅総理の間違った判断があったと評価されるのはやむを得ない。つまり海水を注入するのを中断しろと菅総理が判断したっていうことは、やむを得ないという経緯があったということでありまして、従って菅総理の間違った判断があったとする意見・評論の前提となる事実についてはその主要な部分について真実と認められるべきという、これ最高裁の判断が出ているんですから、これ以上ですね、これはそこで菅総理が敗訴されたからと言ってですね、本来、予算とかですね条約とか、そういうものを審議すべきここでですね、かつ私が総理になる前にメルマガで書いたことについてですね、なにかそういう当時のことをもう一度蒸し返すと言うのはですね、これは、私はいかがなものかと、言わざるをえないわけでありまして、最高裁の判断に従うというのが正しい道ではないかと、こう思っております

菅「まぁこの件については最後にしますが、最高裁が言ってるのはですね、こういう言い方なんです。つまりは当時ですね、そういうふうにいろんな人が報道もあったりして、安倍総理が当時は野党の一議員であったから、そういうこの他のいろんな意見からですね、間違ってそういうことを言ったのは、間違いではあるけれども、間違いではあるけれども名誉毀損とまでは言えないと。つまりその間違いが起きた理由の中にですね、私がそういった発言をしたとか云々は確かに書いてあります判決の中に。つまり間違っていたことに対して、その罪を認めるほどのことではないというのが、その中の問題としてですね、私の当時の言動についてありまして、何度も申し上げますけども事実はひとつなんですよ。私が言ってるのは事実のことを聞いてるんで、その安倍総理に最高裁の判決のですね、部分を捉えて、また誤ったですねイメージを操作をすると言うのはですね、それはしないようにということをですね申し上げておきます。まぁいずれに致しましても、今のやり取りを含めてこれは国民の皆さんにちゃんと聞いておいて頂きたいんですが、当時、3月の12日というのはまさに事故が発生した直後です。私はヘリコプターで現地に飛びました。社長とも話をしました。そしてなぜベントが遅れているのかということもちゃんと聞きました。そういう中で、淡水がなくなれば海水注入をするのは当然のことであります。海水注入を止めようとすればそれは、東電が原発が廃炉になることを恐れて止める理由はあっても、私が止める理由は全くありません。そういった意味でですね、静粛にして下さい。ですから、もう淡水が始まってんですからなくなれば海水注入するなんてこれは当たり前のことなんです。それをですね、私があたかも止めたかのように言って、最後は不信任案にまでつなげていった。このことは歴史的な事実でありますので、そのことだけはきちんとですね、国民の皆さんの前で申し上げておきたいと思います
 


 

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