「自分が納得出来ないからといって何回も質問繰り返すのは控えるべき」菅官房長官が東京新聞記者に苦言

「自分が納得出来ないからといって何回も質問繰り返すのは控えるべき」菅官房長官が東京新聞記者に苦言

菅官房長官が7月4日の記者会見で東京新聞の女性記者に対し苛立ちを隠そうとせず「自分が納得できないからと言って何回も何回も質問するのは如何なものか」と苦言を呈す場面がありました(画像は政府インターネットテレビより)。

「納得出来ないからといって何回も質問繰り返すの控えるべき」
この女性記者に対して菅官房長官は6月28日の会見でも「根拠のない発言について質問すべきじゃない」「人の噂だとか推測に基づいて言うのは失礼」などと注意していましたが(関連記事参照)、記者への注意は7月3日と4日にも相次ぎ、菅官房長官とこの女性記者の対立がエスカレートしているようにも見受けられています。

まず7月3日午後の会見では安倍首相が秋葉原での演説で「こんな人達に負ける訳にはいかない」などと語っていたことについて記者が「私も見てて衝撃的でした」などと語り政府としての受け止めを質した際、菅官房長官はこう答弁していました。

菅「失礼ですけどあなたの主観に答えることは控えたいと思います。客観的なことについて事実に基づいてご質問して頂きたいと思います」

「噂や憶測で質問するのは失礼」に続き「主観で質問するな」と手厳しく返された形のこの記者でしたが、4日の午前に行なわれた会見で今度は「納得出来ないからと言って繰り返し質問するのはどうか」と疑問を呈されてしまいます。

これは加計学園問題でこれまで同様、説明責任を果たしていないとして第三者による調査を行うべきではないのかと求めた記者に対し菅官房長官がこう述べたというもの。

菅「まず今の質問はこの場で何っ回質問したんでしょうか。何回も何回も繰り返されてます。自分自身が納得できないからと言ってですね、説明していないと断じることは、これは如何かと思いますよ」

記者は「何回も聞いているのは同じ回答しか出てこないからだ」と反論しましたが、菅官房長官は「納得できないからといって同じことを何回も繰り返し説明するのはどうかと思う」と平行線のままでした。

菅官房長官はその後、再び持ち出された秋葉原での安倍首相発言について前日に述べた「極めて常識的な発言」とする見解は変わっていないとした上で、当日発せられていたヤジなどを指して「妨害的行為があったのは事実」と批判。

女性記者に対して選挙の際は聴衆が政策をしっかりと聞くことが出来るよう各党が時間などを調整し互いに割り振りを行っていると説明、秋葉原では妨害的行為があったとの見方に理解を求めましたが、記者は「社民党共産党でもヤジは飛んでいる。別に自民党の時だけ飛んだわけではない」と答えるなど噛み合わず、菅官房長官は結局諦めたかのように再びこう述べていました。

菅「まぁいずれにしろですね、まず御自身の主観に合わないからと言ってですね、何回とこの場でですね繰り返すことは私は控えるべきだと思いますよ?」

この女性記者については6月30日の会見で政治ジャーナリストが菅官房長官に対して「しつこいとお感じになっていますか?」と質問、大きな話題になっていましたが(関連記事参照)7月3日、4日の会見を見る限り、女性記者の姿勢に変化はないようです。

菅官房長官と記者の発言
7月3日午後

記者「秋葉原のですねぇ(アナウンス「社名と氏名をお願いします」)秋葉原の、かなりの、ああいう、まぁ大声での抗議の声。あの、私も見ててかなり衝撃的でした。政府としてあのような声が出てくること自体をどのように、重く受け止めていらっしゃるのか、どういうふうに受け止められたんでしょうか」

菅「失礼ですけどあなたの主観に答えることは控えたいと思います。客観的なことについて事実に基づいてご質問して頂きたいと思います」

記者「ではじゃあ、秋葉原での声をどう受け止められたかですね、あの集会での声が、まぁあれほどの歓声の中でああいう声が出て来ること自体は、国民の、そのひとつの政権に対する怒りの声だという受け止めは特にないという理解でよろしいですか」

菅「ですからあなたの主観ですから。まぁ当然これ民主主義国家ですから、選挙運動というのは自由です」

7月4日午前

記者「(加計学園問題についての山本大臣答弁の話題)答弁は確かに記録がない記憶がないと続けております。で、こういう答えを続ける限りはですねえ、今回JNNさん朝日新聞さん調査されていますが、選挙後、今回の加計疑惑適切な回答を政府がしているかと答えているか71%、79%が答えてないと回答してるんですね。で今回の都議選に大きく影響したこの加計疑惑に対して説明責任を、このままだと果たせないのじゃないかという懸念が出ております。このことについてですねもう少し政府として全力できっちりと、説明責任を果たしてく。本当に文書がないのか、徹底的に調べていく。でもし(アナウンス「簡潔にお願いします」)内閣府としてこのような回答にとどまるのであれば、第三者による調査というのを、やっぱりしっかりやるべきではないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか」

菅「まず今の質問はこの場で何っ回質問したんでしょうか。何回も何回も繰り返されてます。自分自身が納得できないからと言ってですね、説明していないと断じることは、これは如何かと思いますよ。担当大臣が委員会の場で說明してるわけですから。それに尽きます」

記者「えー何回も聞いているのは何回聞いても同じ回答しか出て無くて、その結果わたしだけではなくですね、国民の世論調査で説明責任を果たしてないという、こういう数字が出ております。これ都議選の結果も含めてですね、重くこれは捉えなきゃいけないと思うんですね。でこれを、やはり菅官房長官含めて政府側がですねぇ、重くこの説明責任を果たしているということを、果たしてないという認識が弱いのではないかと思えるわけですね。この点いかがですか」

菅「ですから御自身で納得できないからと言ってですねぇ、同じことをこの場で何回も繰り返して質問することはどうかと思いますよ?だってこれについてはですねぇ、少なくとも所管大臣が、委員会で、公の場で何回と無く答弁されてるじゃないですか。それに尽きることだと思いますよ」

記者「ということはですね私がどうこうということではなくて政府としてはきっちり説明責任を果たしており、国民はこれに納得していると、官房長官は思われているという理解でよろしいですか?」

菅「ですから今後何かあればその都度真摯に説明していきたい。こういうことを申し上げてます。ですから今回のことまでについてはですね、それは所管大臣がいるわけですから、所管大臣が今まで、国会で答弁してるじゃないですか。それに尽きます」

記者「答弁の内容が納得できないという、この結果が都議選のあの惨敗につながっていると、いうふうに各社の分析から見れば見えます。でそのことへの認識があまりにも弱いのではないかと。あなたが思ってるからではないですかではないです。この世論調査の結果を如何に真摯に受け止められるか否か。そこを政府としてどうお考えなのかということを聞いております。」

菅「ですから同じ答えです。」

記者「ちょっと話変わりますけどえーと秋葉原の演説に関して、このような人達に負ける訳にはいかないということに関しまして昨日の午後の会見で菅官房長官は『極めて常識的な発言で、民主主義国家ですから』というご回答でした。ま、1日経ちましたけれども、今日の時点でもやはり、土曜日の安倍首相の発言に対しては、特に問題はなく、極めて常識的な発言だという理解をしているということでよろしいでしょうか」

菅「あの、全くその通りです。選挙というのはまさに民主主義国家の原点ですよ。ですから総理がそこに選挙で政策を訴えようとしている時にですね、妨害的行為があったことはこれは事実じゃないでしょうか。私は極めて残念だったと思いますよ?少なくとも、それは私達、自民党がですね、総理がそこで申しあげましたけど、自民党はこういうことはしないと。でこのような人には負けられないという主旨だったと思いますけども、そこはある意味で私当然のことだと思いますよ?それで私、あとで動画見てみましたけど『安倍・菅 監獄へ』という、そういう大きなものもありましたよ?まさに民主主義の原点である、選挙の際にですね相手候補、私共も相手候補の話はしっかり聞きますよ。それで演説する場もですね、時間割でそれぞれ調整をして、それぞれの政策をですねきちっと聞くことが出来るように、これ全部やってますよ?これはそれぞれの政党、主要な駅で事前に相談をして、妨害を止めようと。で、お互いに時間等もですね割り振りして行なってるわけですから、それは私はやはり極めて残念な、妨害的な行動だったと思ってます」

記者「他の動画見ますとですね社民党共産党でもですねヤジは飛んでおります。別に自民党の時だけ飛んだわけではございません。それでですね、あの声をですね、あの非常にわかるんですけども、有権者のこの疑惑解明に対する、もっときっちり説明するべきだと、そういうような声の受け止めは、政府、安倍首相もされていないということですね?」

菅「まぁいずれにしろですね、まず御自身の主観に合わないからと言ってですね、何回とこの場でですね繰り返すことは私は控えるべきだと思いますよ?」

記者「私の主観と言うのはですね、あのアキバでのニュースで出ている、ああいう声というのを、政府としてはどう受け止められたのかなと言う見解を聞きたかったということです。主観では、ありません!話変わりますけれども(以下略)」

菅官房長官に質問をし続ける東京新聞女性記者の姿勢を

支持する
支持しない
どちらとも言えない

「日経新聞」には絶対に載らない 日本の大正解

著者高橋 洋一
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出版日2017/06/17
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ISBN-104828419616
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